幾瀬にも積もった埃を払えば
現れる憧憬（しょうけい）　輝かしき日々

何度も塗り重ねた絵の具を削れば
顔覗かせる無垢　真白き姿

何処かに隠れた写真は
今でもその形を残して
観えずとも　触れられずとも
確かめられずとも　燻（くす）むとも

見当たらないのは　忘れているだけ
水泡(みなわ)には帰せず　輝かしき日々

容易く浮かばぬ記憶は
それでもただ無口に寄り添う
観えずとも　触れられずとも
確かめられずとも　燻（くす）むとも

傷付き萎れて　花も落ちたとて
やがてはまた芽吹く　輝かしき日々

見当たらないのは　忘れているだけ
水泡（みなわ）には帰せず　輝かしき日々

(C) copyright 2009-2012 蒼生 All rights reserved. since 2009.04